『深海』(しんかい)は、日本のロックバンド・Mr.Childrenの5枚目のオリジナルアルバム。1996年6月24日にトイズファクトリーより発売された。
概要
前作『Atomic Heart』から約1年10ヶ月ぶりのアルバムで、Mr.Children初のコンセプト・アルバム。制作は主にニューヨークのウォーター・フロント・スタジオで1995年12月下旬から1996年4月上旬に行われた。アナログ・レコーディングにこだわり、全体的にバンドサウンドが前面へ押し出されている。
6thシングル「Tomorrow never knows」・7thシングル「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」・8thシングル「【es】 〜Theme of es〜」・9thシングル「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」は本作のテーマにはそぐわないという理由で未収録となり、これらの曲は次作『BOLERO』へ収録された。
本作の収録曲でミュージック・ビデオが製作されたのは「花 -Mémento-Mori-」の1曲のみ。
累計売上は274.5万枚(オリコン調べ)で、前作より減少したが当時のアルバムチャートでは歴代1位の初週売り上げ153.6万枚を記録した。ちなみに発売の際、大量の初回ロットの不良(ケース中央の爪の破損)が発生した。
発売前の雑誌には「青盤(『深海』)」と「赤盤(『BOLERO』)」による2枚組という情報も流れていた。桜井和寿は「『深海』は『BOLERO』の中の1曲として捉えている」と語っており、曲ごとにトラックで分けず全体で1トラックにすることも考えていた。そのため全曲にはほぼ曲間がなく、いくつかの曲はノンストップで繋いでいる。アルバム全体がひとつの流れとして繋げまとめられている。当初桜井はアルバムタイトルを『シーラカンス』にしようと考えその旨をメンバーに話したところ「深海?」と聞き返され、それが非常に強く印象に残ったため最終的に『深海』をタイトルに採用した。
アートディレクターは信藤三雄。ジャケットは桜井がアンディー・ウォーホルの「電気椅子」のようなものを、とリクエストしたことによる。
本作発売後にアルバムツアー『Mr.Children TOUR “REGRESS OR PROGRESS” ’96-’97』とその追加公演『Mr.Children TOUR “REGRESS OR PROGRESS” ’96-’97 FINAL』を開催。コンセプトは「OUT OF DEEP SEA(深海からの脱出)」で、中盤に本作をアレンジをほとんど加えずに曲順通り演奏するという演出が取られた。Mr.Childrenの他のライブツアーと比べると異質な雰囲気を漂わせており、その様子は映像作品『regress or progress ’96-’97 tour final IN TOKYO DOME』で観ることができる。
後ろ向きな曲調・歌詞の楽曲がほとんどで、『ROCKIN’ON JAPAN』2009年1月号にて「不倫してんじゃんと突っ込まれる前にこのぐちゃぐちゃを吐き出してやろう」といった思いがあったことや、制作当時は自殺をほのめかす発言をしていたことを述べている。
収録曲
- 全作詞・作曲:桜井和寿 / 全編曲:小林武史 & Mr.Children
- Dive [1:36]
- インストゥルメンタル。水へ飛び込むSEの後チェロの演奏が入り、そのまま次曲へ繋がる。
- シーラカンス [4:40]
- 当時の桜井の心情が反映したような歌詞で、このような歌詞はもう書かないだろうと桜井は語っている。
- 本作発売の時のCMソングとして使用された楽曲。次曲と繋がっている。
- ニューヨークでレコーディングしている際、「シーラカンス」という言葉からイメージして作ったという。
- 手紙 [2:49]
- 鈴木英哉が「山口百恵に歌わせたい曲」とコメントしたことがある。
- 中孝介が1stミニアルバム『なつかしゃのシマ』にてカバーしている。
- 『Mr.Children CONCERT TOUR POPSAURUS 2001』において「Dive」「シーラカンス」と共に演奏された。
- よく桜井が訪れる公園で夕方になると流れるショパンの別れを聴き、帰りに思い浮かんだという。「ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~ 」とセットになっている曲だが、あえて順番が逆にされている。アルバム冒頭のこの曲が結末であり、以降の曲によって解き明かされていく構成となっている[2]。
- ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~ [4:27]
- ある若い男女の恋愛の始まりから終わりまでを歌った曲。
- 楽曲中のマンドリンを演奏しているのは田原健一。元々は12弦ギターを入れる予定だったが音色がマンドリンに似ていたため、急遽本物を用意したという。
- Mirror [2:58]
- 桜井が休みを利用して山形の海へサーフィンに出かけた際、「さぁ作るぞ」ではなくギターをポロンと弾いたと共に浮かんだメロディがこの曲のモチーフ。その海は、10代の頃の桜井が誰に聴いてもらうでもなくよくギターを弾いて自作曲を歌っていた因縁の場所でもあった。
- 歌詞は某しゃぶしゃぶレストランにて食事中に、ふと浮かんでそのまま箸袋の裏にメモとして残したものを元に膨らませた。
- 楽曲中のグロッケンを演奏しているのは田原。
- 後にベスト・アルバム『Mr.Children 1996-2000』にも収録。
- Making Songs [1:07]
- インストゥルメンタル。数曲のデモ音源を断片的に繋いだトラック。最後に「名もなき詩」の弾き語りが入り、次曲に繋がる。
- 中には「タイムマシーンに乗って」と酷似したデモ音源も入っているが、桜井は「偶然似ただけで別の曲」と述べている。
- 名もなき詩 [5:28]
- 10thシングル。
- So Let’s Get Truth [1:48]
- アコースティック・ギターとハーモニカによる弾き語りがメインだが、演奏前に足音やドアを閉める音が入り、曲が終わるとサイレンの音と共に次曲へ移る。
- 桜井曰く「作曲中に長渕剛さんが降りてきました」。
- 臨時ニュース [0:15]
- インストゥルメンタル。国内外のニュースの音声などのテレビの音と、チャンネルを変える音から構成されているザッピングを模したトラックであり、その中に「名もなき詩」のカップリング曲「また会えるかな」が数秒のみ聴こえる。
- Mr.Childrenの全楽曲の中で最も収録時間が短い。
- マシンガンをぶっ放せ [4:26]
- 後に12thシングル「マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-」としてシングルカット。
- ゆりかごのある丘から [8:52]
- 演奏時間が本作最長の楽曲。
- アマチュア時代から存在する曲だが、スローテンポにアレンジされ和音がマイナーになっている。曲の冒頭と終盤にヘリコプターのプロペラのSEが入り、前後の楽曲と繋がっている。
- 虜 [4:17]
- Mr.Childrenでは数少ない、一人称が「俺」の楽曲の1つ。
- 後に『Mr.Children / Split The Difference』にも収録され、Salyuがコーラスに参加している。
- 花 -Mémento-Mori- [4:42]
- 11thシングル。シングルと同一音源だが、次曲とシームレスに繋がっている。
- 深海 [4:50]
- 今作の表題曲。
- インストゥルメンタルの予定だったが、小林の発案で歌詞がつけられた。
- アウトロは深海から浮き上がってくるようにも、さらに深くまで沈もうとするようにも聴こえる水の音が入って終わる。
引用元:Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/深海_(アルバム))
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